昭和時代のアートの息吹が忘れられないというオーナーはアート車の製作にあたり、まずはベース車探しから始めたというこだわりぶりだ。途中トラック仲間がこぞって手を貸し、できる部分は自分たちで製作。公認車検を取得した仕事車であることも自慢のポイントだ。なお、ニックの由来は二人の愛息と、愛娘の名前だ。
製作過程を振り返ると、まずボディが手に入り、その後シャシーを入手した。その結果5800mmの荷台用シャシーに6000mmのボディを架装するいわば規格外のクルマが誕生した。この規格外のクルマをバランスよく飾るため、各パーツのサイズは自身が導き出したそうだ。均整のとれたプロポーションを実現している。 キャブには平型バイザー、コの字型ミラーステー、キャデラックバンパーと’80年代スタイルのパーツが並ぶ。さらに父譲りのレリーフや弁当箱アンドンなどで、完成度を高めている。プロテク背面とアオリ3面には、筆書きのペイントをフィーチャーし、アート車らしい華やかさとともに昭和時代のノスタルジーを見事に表現している。
【写真6点】忘れ得ぬ昭和アートの息吹。カミオン2012年2月号トップアートをもとに再構成