圧倒的な存在感を放つワンオフの大型パーツ群は、両サイドに4段でナマズマーカーを備えたラッセル戻しバンパーをはじめ、1m20㎝の突き出しを誇る菱形棒チップ仕様のミラーステー、前面下段に黄色いマーカーを並べた2段舟型バイザーなど、オリジナリティと伝統的な美しさを兼ね備えた秀作ぞろい。
ルーフ上に鎮座するシートキャリアにいたっては、小型車ベースとは思えないほどのビッグスケールを実現すると同時に、6段ハチ巻きマーカーを中心としたアレンジメイクが圧巻で、このクルマのランドマークとして異彩を放っている。
一方、荷台周りの目玉となる箱3面ペイントは、箱の両サイドに「荒波」「鷲」「一寸法師」などのモチーフを躍動感満点に描くほか、ピンクのカラーで背景を染めたリア観音扉には“歌舞伎”をペイント。すずき工芸ならではの筆致とセンスは非の打ちどころがなく、周囲に対して豪勢なビジュアルをアピールしている。
そのほか、等間隔で黄色のマーカーを並べた2段サイドバンパーや、そのサイドバンパーからの流れをスムーズに受け継ぐリアフェンダー、10連テールボックスなど、アンダーセクションに組み合わせた鏡面パーツにも見どころが目白押し。今後はバスロケットの搭載なども視野に入れてアートを展開する予定だという。絶え間ない進化から目が離せない注目車だ。
【写真6点】名匠と名工の競演。カミオン2008年10月号トップアートをもとに再構成