ベスト5 リアアオリにモンロー微笑む隼美丸 大都会がよく似合う

「むせび泣く夜霧を縫ってひた走るロマンス街道一人旅」。深夜のコックピットは孤独だ。眠気と闘いながら、そして約束の時間通りに荷を運べるか、そんなせめぎあいのなかでひたすら走り続ける。いつの頃からかロマンス街道などとシャレていうトラッカーもいる。きっと、厳しい仕事の裏返し。今日も、トラック野郎がそれぞれの想いを胸に走り続ける。……という口上で始まる1985年1月号のベスト5。トップバッターは、セクシーなモンローのエアブラシをリアアオリに入れた隼美丸だ。



シートキャリアとバンパーのウロコステンレスと、フロントマスクのメッキパーツが高貴なコントラストを演出する。色使いを抑えたスタイルは高層ビルがそびえる大都会の風景によく映える。

懐しきマリリン・モンローが出色。いまやセックス・シンボルというとファラ・フォーセットになるのかもしれない。

しかし、なんといっても、この世を去って20年が過ぎたというのに、人気は衰えを知らない。よくバニングには見かけるが、トラックではエアブラシを使ったイラストは珍しい。

「モンローと虎がからんだものをと思って、この秋に描きました。アルミブロックの目に入って、描きにくかったそうです。でもいいでしょう。この絵の値段は15万円です」。

ワンポイントだが、高層ビルになかなか映える。


リヤはスカGのテールを2段に並べ9発セット。「モンローのデカハイ(パイ?)がど迫力。虎は眠っているのかな?」と書かれていたが、虎のくだりは意味不明だ。

このタイタンは2台目。 今年の春に購入し、外観ははやばやとモデルチェンジしたあととか。

「以前はゴールド、赤などでフロントグリルを手にしていたんですが、やっぱ、メッキのよさにはかなわないので、変えたのです。それと内装は和風の落ち着いたものにしました。内装にも50万円はかかっています」。

トラックの代金込みで、これまでにつぎ込んだ資金は440万円。しかし、これで満足してはいない。


内装は木材を多用した純和風の仕上がりだ。

「アンドンや左右の荷台にも、イラストか文字を描こうと思っています。そう、あと100万円はかけたいな。内装などは自分でやってますよ、絵だけは自分で描けないから、しかたないけど……。とにかくお金がかかります」。

文:編集部 カミオン1985年1月号をもとに再構成

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