【Trailer the Best!】トラディションかつモダン。カリフォルニア初、ウッドトレーラー

HÜTTE HUT(ドイツ語で「小屋の帽子」の意味)

       
伝統的なティアドロップ型のデザインに温もりを感じるウッド素材のトレーラー、「HÜTTE HUT(ヒュッテハット)」。カリフォルニア発の美しいデザインで、耳目を集める最新トレーラーだ。ここではその全貌をお披露目しよう。

独自技術やアイデアをフル投入 キャンプがより特別な場に


 ある時には星屑で埋め尽くされた美しい夜空を眺め、またある時には幻想的なサンライズに息を呑む……。そんな非日常の絶景にお似合いの空間って何だろう? デザイナーであり経営者のブライアン・マンゾは、オートモーティブデザインのキャリアを重ねるなかでクルマ好きが高じ、新たなキャンピングトレーラーへのアイデアを膨らませていた。

「基本コンセプトは、デザインと素材がもたらすリッチな居住空間。従来のパターン化されたレイアウトや実用性重視のタイプとは一線を画したものを作りたかったんだ」。

 ブライアンは数十年前からアイコンとなっているノスタルジックなティアドロップ型デザインの延長線上に答えがあると考え、コールドモールド工法やCNC加工機などの最新技術を取り入れた試作品づくりに着手。木の温かみにあふれ、どこか懐かしさがありながらモダンな雰囲気を醸し出すウッドトレーラー「HÜTTE HUT(ヒュッテハット)」を生み出した。



「横長の窓や着脱可能なキャノピーは開放感を大切にしたくて作ったんだ。また右側面の観音扉をワイドオープンにすれば、家からキャンプ地へ一瞬でワープしたかのような、不思議体験が味わえるんだよ」。

 上質で居心地の良い寝室をまるごとトレーラーに作り替えたようなデザインは、ソトアソビの快適度を爆上げしてくれるハズだ。ヒュッテハットを一目見た人がみな賞賛の声を上げたことで、一般ユーザーのオーダーはもちろん、高級ホテルからおもてなしサービスとして検討したいといった、当初想定し得なかったビジネス展開もスタートした。ちなみに本トレーラーの製作期間は最低でも2〜3ヵ月かかるとのことだ。



「顧客層は純粋にキャンパーとして求める人はもちろん、単純に美しいから所持したい人、家のバックヤードにオブジェとして置いておきたい人までさまざまだよ」。

 アメリカのクルマ専門誌や一般誌の記事などで注目の的となっているヒュッテハットは、今後キャンピングカーの世界に新風を吹き込む台風の目となるに違いない。

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>>本体を支えるシャシーに軽くて頑丈な航空宇宙用アルミ合金を採用するなど、素材選びにも抜かりナシ。基本モデルの価格は6万3900ドルで、キッチンユニットや冷蔵庫の追加など各オプションにも柔軟に対応してくれる。牽引するヘッド車はBMWのツーリングワゴン328i。



>>天井はコンパーチブルキャノピーのため、着脱ができるのも特徴。素材は防水加工を施したアクリル素材で、よりより素材へのアップグレードも可能だそう。



ブライアン・マンゾ
カリフォルニアはパサデナのカレッジで工業デザインを学び、複数の電気自動車企業でオートモーティブデザインのキャリアを積む。現在は拠点をサンタバーバラに置き、経営者やデザイナーとして活躍している。


初出:OUTDOOR あそびーくるBOOK 2020年 Vol.07
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

牽引するヘッド車:BMW ツーリングワゴンi328
Special Thanks:Hütte Hut

文 & 写真 / YASUNARI AKIRA

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