完璧にレストアしたハコスカGT‐R|1972年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R Vol.3

ノーマル風のエンジンルームだが、そこに収まるS20型エンジンはφ85mmの鍛造ハイコンプピストン、H断面コンロッド、73mmストロークのフルカウンタークランクなどでフルチューンが施されている。

       
GT-R。その第2弾として登場したのは、1970年10月にデビューしたハードトップのKPGC10。空力性能やハンドリングを向上するために、Cピラーの傾斜を強めたクーペボディを採用。さらに、ホイールベースを70mm短くして自慢のフットワーク性能にも磨きをかけた。また車両重量は、セダンより20kgも軽く仕上げられている。

【1972年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R Vol.3】

【2】から続く

 このGT‐Rをオーナーとともに完璧にレストアしたのが、この世界では名の知られた埼玉県ふじみ野市の「RSスタート」である。取材に立ち会ってくれたメカニックの宮崎さんは、
「7年ほど前に、オリジナル状態に完璧に仕上げたいとオーナーさんから申し出がありました。私たちもチューニングのお手本になるように、気合を入れてレストアしました。大変だったのは、純正パーツを集めることですね。すでに生産終了となり欠品のパーツが多かったので、かなり苦労しました。

 ボディは総剥離し、ドンガラにしてパネルのつなぎ部分などもすべてバラバラにしています。エンジンはオーバーホールを行い、カムシャフトからピストン、クランクシャフトまでオリジナル製作のパーツを組み込んでいます。ピストンは鍛造、コンロッドはH断面を使いました。バルブ回りもRSスタートの強化品です。公道メインですが、フルチューン仕様としました。

 また、5速ミッションもパーツを交換しています。クロスミッション仕様で、ギアも別物なのでフィーリングはノーマルと違い、カチカチっと入るフィーリングです。思い切りシャキッとした現代的なミッションにしました」


▶▶▶【画像31枚】ほとんど汚れもなく、サビやクサリはまったくなし。レストアが完成して7年がたっているとは思えないボディ下面など



キャブレターは、フルチューンに合わせて、ソレックス50PHHを採用。ファンネルは吸気の流速を上げるためにロングタイプのアルミ削り出しだ。





量産エンジン初となる24バルブDOHC機構を誇るS20型エンジン。ヘッドカバーのデザインも存在感を放つものだ。





美しい曲線を描くオリジナルのタコ足は、ステンレス製の等長6-1集合タイプ。S20型ならではの6気筒特有の爆発音が揃ったエキゾーストノートが高回転域で響く。オーナーが走り込んでいいるため、表面がいい色に焼けている。



1972年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R(KPGC10)
SPECIFICATION 諸元
全長 4330mm
全幅 1665mm
全高 1370mm
ホイールベース 2570mm
トレッド前/後 1370/1365mm
最低地上高 160mm
室内長 1655mm
室内幅 1325mm
室内高 1110mm
車両重量 1100kg
乗車定員 5名
最高速度 200km/h
登坂能力tanθ 0.58
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps/7000rpm
最大トルク 18.0kg-m/5600rpm
トランスミッション型式 O.D付前進5段後退1段、ポルシェタイプ・サーボシンクロ式
変速比 1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速 0.852 / 後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 コイルスプリング独立懸架ストラット式/コイルスプリング独立式セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.45H-14-4PR
発売当時価格 154万円 ※データーはハイオク仕様


【4】に続く

初出:Nostalgic Hero 2016年 2月号 vol.173(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 GT-R(全4記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明 photo : ISAO YATSUI/谷井 功

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