「スカイラインの父」と呼ばれる櫻井眞一郎氏は、初代スカイラインから開発に携わり、1986年10月、新たに設立された「オーテックジャパン」の初代社長に就任した。そして、1988年にはスカイライン・フリークが待ち焦がれたR31スカイラインのオーテックバージョンが発表された。
これが「日産スカイラインGTSオーテックバージョン」である。
ベース車となったのはGTS‐Xだが、RB20DET型エンジンは、ターボチャージャーをはじめインタークーラー、エキゾーストマニホールドなどにスペシャルチューンが施された専用部品を採用。最高出力210PS、最大トルク25kg‐mと、GTS‐Rと同等の出力を実現。ただし、扱いやすさを優先し、低速からトルクを厚くすることで、加速性能を重視しているのが特徴となる。また、足回りのスプリングやショックアブソーバーのレートなども変更。さらにR31の特徴でもあるリアのハイキャス機構はキャンセルされ、代わりにリアトーコントロールリンクを追加し、しなやかな操縦性を実現した。
オーテックジャパン・櫻井眞一郎氏のコダワリが盛り込まれたぜいたくな仕様だ。
オーテックバージョンのバンパーには、GTS-R同様に右側にインタークーラー用のインテークが設けられているのが特徴だ。
フロントフェンダーには青のGTエンブレムと「Autech JAPAN」のステッカーが貼られる。マッドガードは純正オプションだ。
トランクリッドには「GTS」と限定車を示す「Autech VERSION」のステッカーが貼られる。
純正でボルクレーシングの鍛造3ピースホイールが装備されていた。センターオーナメントは専用デザインとなり、オーテックのエンブレムが輝く。
シートや内張のデザインはGTS-Xと同じだが、専用のシートクロスが採用され、シックなテイストでまとめられている。
専用のT25タービンやステンレス製エキマニは、遮熱カバーによって隠れている。
88年式日産 スカイラインGTS オーテックバージョン(E-HR31改型)
全長×全幅×全高(mm) 4660×1690×1365
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1425/1420
車両重量(kg) 1370
エンジン型式 RB20DET-R
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC24バルブ
インタークーラー付きターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 210/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 25.0/2800
変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.838/後退3.382最終減速比 4.375
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション 独立懸架ストラット式/
独立懸架トーコントロールリンク付き
セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 436万円
インテリアの仕様などコックピットの様子については、次回Vol.2で紹介する。
掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)
text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功
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